華屋与兵衛」というファミリーレストランチェーンがあります。この店では2022年3月3日からのどぐろ釜めしフェアを開始することをニュースサイト「マイナビニュース」で見ていました。3月3日からとありますが期間はいつまでなのか書いてありません。(見落としたのかな)

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「のどぐろ釜めしフェア」華屋与兵衛・食味探訪

華屋与兵衛・のどぐろ釜めし
店頭の幟

車でよく通る街道筋に「華屋与兵衛」鎌取店があることを思い出して、3月17日(木)11:00amごろちょっと寄ってみました。「のどぐろ釜めしフェア」はまだやっていました。

 

 


さっそく店に入ってみます。
季節ののどぐろ釜めし」単品のほかにセットメニューが2種類あります。

■単品 ・「季節ののどぐろ釜めし」(1,419円)
■セット1.「季節ののどぐろ釜めし天ぷら7種盛りセット」(1,848円)
■セット2.「季節ののどぐろ釜めし刺身4点盛りセット」(1,958円)

上のどれを選んでも「ドリンクバー、茶碗蒸し、お新香、お茶づけ用の黄金だし、のり、万能ねぎ、白ごま、わさび付き」となっています。

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華屋与兵衛
のどぐろ釜めしのメニュー

季節ののどぐろ釜めし刺身4点盛りセット」を頼んでみました。のどくろ釜めしと、刺身4点盛りをセットにし、ドリンクバーもついているというお得感たっぷりのセットメニューでした。

釜飯の具材は、蒲鉾、笹がきごぼう、油揚げ、国産椎茸、枝豆です。刺身の4点はサーモン、いか、まぐろ、有頭海老がそれぞれ2巻ずつ盛ってありました。単品の「刺身4点盛り」は715円(税込)ですがセットなら539円(税込)というわけです。

 

季節ののどぐろ釜めし

注文してほどなくするとセットが運ばれてきます。用意された固形燃料に着火してもらい、暫くすると木蓋のわきから湯気が上がってきます。炊きあがるまでのあいだは茶碗蒸しやセットの刺身などをいただいて待つ事にします。注文時から合計25分くらいでしょうか、燃料が燃え尽きると、炊き上がりとなります。

炊きあがった窯の木蓋を除き中をみますと、のどぐろ半身3枚が中央に並べられて、椎茸や枝豆などんの具材が見えかくれしています。のどぐろはほぐし身やフレーク状ではなく、小ぶりながら上身(じょうみ)にされたものがカットなしで使われていました。のどぐろの身であることが、しかと確認できます。皮目が上に盛られて、うっすらと焼き目(?)がほどこされ、なかなかの演出だとお見受けいたしました。(^ω^)

ノドグロには軽く焼き目が…

のどぐろ釜めし「おいしい召し上がり方」

おいしい召し上がり方」という紙片が添えられています。これに書かれている順序に従ってたべることにします。

1.あつあつ炊きたて、うま味がしみ込んだご飯をまずはそのまま。
2.薬味を乗せて香りや風味を添えて2度目のおいしさをお楽しみください。
3.華屋特製絶品黄金だしをたっぷりかけて、釜めし茶漬けで3度目のおいしさを!

 

まず、味がしみ込んだ熱いごはんだけ一口食べてみます。ごはんに味を含ませるために出汁に工夫を凝らしているのでしょう。しっかりと味がはいっています。

糸三つ葉、山葵、切昆布

つぎに、薬味を乗せて。この日は糸三つ葉と塩吹き風の細切り昆布が添えてありました。これらは、お茶づけに合わせた薬味かもしれません。

 

 

のどぐろ釜めし
華屋与兵衛

炊きあがったノドグロをごはんと混ぜあわせていただきます。のどぐろも下味がついているのでしょう、窯の中でやわらかく蒸されてごはんとほどよく相まっていると感じました。

 

さて〆のお茶漬けです。お茶ではなく、だし茶漬けです。だし茶漬けは料理屋などから流行りだしたものではないかと以前から思っていますが確証はありません。「華屋」のだしは「絶品黄金だし」と銘うった自信作のようです。先ほどの糸三つ葉と切昆布を乗せて、出汁を廻しかけていただきます。

 

のどぐろ釜めしを
お茶漬けで

ここでわが迂闊さに気がつきました。食べながら写真ばかり撮っていたので時間を費やし、折角のお出汁が冷めてしまったのです。これは失態でした。ぬるいお茶漬けではちょっと興ざめですね。それでもこの「のどぐろ窯めし」はお茶づけに適するように合わせたお味だということはよくわかります。下味がついていますからだし茶漬けではなく、熱いお茶をかけてもいいとおもいます。

お食事をゆっくり召し上がる方は、冷めないように、お茶づけ用だしは後からもらうようにしてくださいね

華屋与兵衛・「季節ののどぐろ釜めし」感想

それでは、「季節ののどぐろ釜めし」の食後感です。とても個人的な感想です。

季節ののどぐろ釜めしを食べて…
  • まず安いのどぐろ釜めしが1,419円でいただけるのは、のどぐろの本体価格を知っている者にとっては少し驚きです。
  • すでに申しましたが、小ぶりとはいえ「のどぐろ」です。小片にカットされたものでは無く半身のノドグロを使っているので存在感があります。「まぎれもなくのどぐろですよ」とばかり訴えているような気さえします。
  • 「のどぐろ茶漬け」を加味したこともいい考えだと思います。わたしは冷ましてしまい食べ方をしくじりましたが、アツアツを食べる手立てさえしておけば美味しくいただけるでしょう。夜のメニューで(釜めし無しの)「のどぐろ茶漬け」があってもいいかと思いますね。
  • 金額的には満足ですが、本音をちょっといいますと

    もっと大きなのどぐろで釜めしを食べたい

  • ムリはわかっています。大きなのどぐろを、切身で使ったとしても3倍、4倍の価格になってしまいます。ファミリーレストランでの日常的なランチで使える金額ではありませんものね。聞き流してください。(^ω^)

華屋与兵衛・江戸三鮨

華屋与兵衛と店名の由来
のれんに

店名の「華屋与兵衛」は握り寿司の始祖といわれる、江戸時代後期の寿司職人だそうです。お店ののれんにもその由来が書いてありました。店とこの人物の直接の関連性は無いようです。

江時代に江戸三鮨(えどさんすし)といわれる3つの名物鮨があったそうです。毛抜鮓(けぬきすし)、松が鮨(まつがすし)、与兵衛寿司(よへえすし)がそれです。

毛抜鮓は今でも神田小川町にある「笹巻けぬきすし総本店」の始祖なんでしょう。江戸時代当時は今の人形町あたりにあったようですが。笹の葉で巻いた押し鮓(おしずし)です。

松が鮨は当時の地名から安宅の鮓(あたかのすし)とも呼ばれます。安宅は現在の江東区森下です。堺屋松五郎という人が始めた豪華で色彩豊か、贅沢な握り鮨です。歌川国芳の「錦絵縞揃女弁慶」(しまそろひをんなべんけい)に描かれています。

与兵衛寿司(與兵衛ずし)小泉与兵衛が上方の押し寿司に対抗して考案したとされる、江戸前の握り寿司です。鮨に山葵を使い始めたのも与兵衛寿司からだといわれています。「華屋」は屋号で、一般に華屋与兵衛の名で知られています。昭和5年ごろまで系譜の店が残っていたそうです。ファミレスの「華屋与兵衛」との直接のかかわりは無いようで、敬意、賛辞を込めた店名なのでしょう。

松が鮨と与兵衛寿司は、老中・水野忠邦の天保の改革(1841年/天保12)の倹約令のあおりで、処罰を受けています。一説によると200を超える鮨職人たちが手鎖の刑あるいは投獄の憂き目にあったとされています。

のどぐろ釜めし・参考サイトと関連リンク

このページの記事は以下のサイトを参考にさせていただきました。

華屋与兵衛/のどぐろ釜めし:
https://www.hanayayohei.co.jp/index.html
https://www.hanayayohei.co.jp/menu_hanaya/kamameshi.html

マイナビニュース2022/03/04高級魚「のどぐろ」を釜めしで! 華屋与兵衛が「のどぐろ釜めしフェア」:https://news.mynavi.jp/article/20220303-2284439/

江戸三鮨:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E4%B8%89%E9%AE%A8

天保の改革:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E4%BF%9D%E3%81%AE%E6%94%B9%E9%9D%A9

 

AIKO
この記事を書いた人
この記事はAIKOが担当しました。
ほとんど毎日お魚を食べています。調理しごとが好きです。干物や燻製も自分で作ります。魚河岸が築地にあったころは、料理人のお供をして魚河岸に通っていました。ノドグロをはじめいろいろなおさかなの話題をお届けします。
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