煮付けに使うのどぐろの大きさは、できれば中サイズ以上(300g~)を使いたいですね。もっと大きいのどぐろなら2枚におろしたり、切身にして煮付けもよろしいでしょう。煮魚は骨がついているほうが断然おいしいです。

魚の煮付けは煮汁をほとんど残さずにこってりと照りをつけて仕上げるというやり方が、以前は主流だったようです。そのような甘辛い煮魚はごはんにも合い、それはそれでおいしいものですが、今回の煮付けはのどぐろ本来のうま味を活かし、少しあっさりと仕上げました。さらに薄味で仕上げるやり方も載せておきました。

のどぐろ煮付け 【準備】

準備と下拵えはこちらを参照してください.
➡︎ のどぐろ塩焼き【下ごしらえ】

のどぐろは常のとおりウロコ、エラ、内臓を除いて浅い切り目を入れ霜降りをします。切り目が深いと煮崩れしやすいので、気をつけてください。霜降りは熱湯にのどぐろを入れ数秒(ヒレがピンと立ち上がります)でひきあげ、冷水に取ります。ウロコなどが残っていたら取り除き布巾やキッチンペーパーなどで水気を丁寧に拭き取ります。

  • 霜降りの前にピチットシートに20~30分包んでおくと味の入りが良くなります。煮る時間も短くて済みます。お試しください。
  • ピチットの代わりに、振り塩をして20~30分経ってから霜降りという方法もあります。この場合は淡い味付けで仕上げましょう。【後述】

のどぐろ煮付け
(大/半身/子持ち)

のどぐろの煮汁について

煮汁を煮つめて時間をかけて仕上げる煮魚もありますが、のどぐろはもう少しあっさりと仕上げたほうが旨味や風味が引き立つと思います。

    【煮汁の分量】

  • 酒:6(または酒3+水3、酒3+出汁3)
  • 醤油(濃口):1
  • みりん:1
  • 砂糖:0.5
6:1:1:0.5

上に掲げた煮汁の分量は、板前が「ロク・イチ」(6:1)と称して煮魚に使っていた基本の分量です。酒(酒+水)6に対して醤油とみりんが各1で、砂糖がその半分ですから覚えやすく作り置くこともできます。煮詰めるとけっこう濃い味ですが、これは好みで変えてください。

一般的には鮮度が良ければ薄味で、鮮度が落ちたもの、クセやアクがあるもの、保存しておきたいものは濃いめの味ということになっています。

【他の材料】生姜 
【あしらい】ごぼう、筍、独活、れんこん、シイタケなどから一種~
【青みの野菜】菜の花、小松菜、きぬさやなど、から一種
【仕上げに】針生姜、木の芽など、(←あれば。器に盛ってから、天に)

のどぐろ 煮付け【手順と火加減】

のどぐろがまっすぐ平らに入る大きさの鍋*に、酒(+出汁・水)を入れ煮立ったら火を弱めて、さとう、みりん、しょうゆを入れ、のどぐろを器に盛りつける向き(左向きで腹が手前)で入れます。スライスした生姜を入れます。

*大きすぎる鍋は煮汁が無駄になり、小さすぎると煮くずれします。のどぐろの尾が鍋の立ち上がり部に触れる大きさの場合は、尾と鍋の間に笹や経木をかませたり、尾をアルミ箔でくるむなどして、鍋に尾がくっついてしまうことを防ぐようにします。

落しぶたをします。木製の落し蓋(木ぶた)は使う前に水につけておきます。落し蓋は煮汁がふたを伝わって味と熱が伝わりやすくなり、のどぐろの煮崩れを防ぎます。重いふたはいけません。木ぶたがなければアルミ箔や紙ぶた(厚手のペーパータオルなど)を代用します。

煮立つまでは強火で、そのあとは沸騰がつづく程度の中火で煮ていくのが通常の煮付けです。だいたい8分から10分ぐらいで仕上がります。味付けに自信がない場合は、醤油やみりんを2度に分けて入れ味を決めましょう。

こってりとした仕上げにしたい場合は、やや強い火加減で、煮汁が少なくなったら玉杓子やスプーンでその煮汁をすくいかけながら煮ます。煮詰めて照りを出す方法ですが、つきっきりでやらないと焦がしますよ。

のどぐろを淡い煮付けで

さて新鮮なのどぐろが手に入った。これを薄味の煮付けにして、たのしみたいという方は、淡口(うすくち)醤油を使った煮汁でやってみましょう。淡口醤油は関東の方は使うことが少ないようですが、濃口醤油より塩分は高いです。色が薄いので「うすくち」ですが、濃口しょうゆと同じ感覚で使ったらおどろくほど塩辛くなりますから気をつけてください。

のどぐろの姿かたちを際立たせて、見た目も味もあっさり仕上げます。この方法では霜降りの前にのどぐろに塩をあてておきます。

【煮汁】
•出汁(水):10~、•酒:3、•淡口醤油:1、•みりん:少量
【その他の材料】
•(水の場合は昆布も用意する)
•あしらいの野菜、
•あれば→木の芽・針生姜・針柚などから1種

のどぐろ【淡い煮付の作り方】

ウロコ、エラ、内蔵を取り除き、流水で水洗いし、ふき取ったノドグロに薄く振り塩をします。(*)

(*)振り塩のかわりに、ピチットシートで包んで20~0分でもOK。

2、30分ほど経ったら、鍋の熱湯の中に数秒入れて氷水に取ります。(霜降り)ウロコや内臓などなどが着いていたらきれいに除き、布巾や紙などで拭きます。

鍋に煮汁の材料を注ぎ火をつけます。(出汁ではなく水を使う場合は。10cm~程度の昆布を入れます)沸いたら一旦火を止めノドグロを入れて再び火をつけ中火で8~10分ぐらいで仕上がります。(時間は大きさにもよります)途中で味を見てください。あしらいの野菜は霜降りをして一緒に煮てもいいでしょう。

火が通ったら器に盛り、あれば木の芽を盛ります。
振り塩またはピチットの効果で味はしみています。この方法では煮過ぎは禁物です。

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